一昔前ならタクシードライバーと言えば、中年から定年退職前の男性が多い職業というイメージがあったかもしれません。
しかし時代は変わり、近年は若い年代のタクシードライバーが急増しています。
今回は人気の理由に着目し、タクシードライバーのメリットや給与、良い職場の見つけ方のポイントなどについて調べてみました。
タクシードライバーのメリット
新卒、または20代での転職でタクシードライバーを目指す人が急増しているのは、様々なメリットがあるからです。
具体的にはまず、他業種との比較をして自由度の高い仕事であるという点が人気の理由です。
一般的なサラリーマンとして働く場合、会社に出勤すれば営業に出向かない限り、ずっと上司や同僚に囲まれて仕事をする事になります。
職場の人間関係に悩む人は少なくなく、仕事以外のトラブルを抱えて退職していく人も意外と多いのです。
その点、タクシードライバーの場合は出社時と帰宅する時以外、営業所に戻る必要はありません。
誰かに見張られている環境ではないので自分のペースで仕事ができ、疲れた時やお腹がすいた時は自由に休憩も取れるのです。
またタクシードライバーは時間の融通が利きやすいというメリットもあります。
勤務形態は隔日勤務がメインとなっていますが、自分のライフスタイルに合わせて日勤や夜勤といったシフトも選べるようになっています。
隔日勤務は丸1日働く事になるので、慣れない間は少し体もしんどく感じるかもしれません。
しかし疲れた時は仮眠をとる事もでき、仕事を続けていると次第に体も慣れていくものです。
しっかり働いた翌日は休日となり、仕事とプライベートの時間がはっきりと分かれます。
家族サービスに費やすも良し、自分の趣味の時間に使うも良し、時間が有効的に使えるのも大きな魅力です。
そしてもう一つ、タクシードライバーは比較的長く働き続けられるのもメリットと言えます。
サラリーマンの場合、会社の規模や経営状態にもよりますが、ある程度の年齢になるとリストラの可能性もゼロではありません。
定年後まで職場に残る事が出来る人材もごく一部です。
タクシードライバーの場合、若い年代だけではなく、定年前のドライバーも多く活躍しています。
もちろん定年制は設けられていますが、その後も働く意思さえあれば、嘱託や契約社員として勤務し続ける事も可能なのです。
タクシードライバーの年収
タクシードライバーに転職や就職するにあたって気になるのが年収ですが、実際のところ人によって大きな差があります。
そもそもタクシードライバーの給与形態は歩合制が一般的で、自分の頑張り次第で稼ぐ金額も違ってくるのです。
自分のペースで自由に働ける分、あまりゆっくりし過ぎると給与も少なくなるわかりやすいシステムです。
またタクシーは利用する人がいてこそ成り立つ仕事でもあります。
タクシーの利用率が高いのは必然的に田舎より都会となり、飲食店が立ち並ぶ繁華街では終電が無くなった深夜が稼ぎ時となります。
働き甲斐のある環境で一生懸命頑張れば年収600万円も超えますが、過疎地でタクシー利用者があまりいない環境では年収も200万円台となり、全国的な平均値に換算すると350万円前後という数字になります。
他業種と比べると安い印象を受けますが、生涯年収で考えると必ずしも低いとは断定出来ません。
同じ年代がすっかり隠居生活を送っている中、現役で働き続けて安定した収入が得られれば、老後にお金の心配をする必要も無くなります。
未経験でもタクシードライバーになれるのか
未経験者がドライバーとして活躍出来るのか不安に感じる人も多いですが、タクシー会社は積極的に未経験者を採用しています。
まずタクシードライバーを目指す場合、通常の一種免許だけではなく二種免許の取得も必須となります。
ただ取得するには一種免許を取ってから最低でも3年以上経過していなければならないので、20代前半の若い世代は注意が必要です。
また二種免許を持っていないからと言って採用に不利とはなりません。
受け入れる側のタクシー会社の多くが、免許費用を負担して新入社員に二種免許を取得させています。
無事に二種免許が取得出来た後は、一人前のドライバーとして活躍出来るよう研修を受けます。
研修の内容はタクシーの営業や接客マナー、法令、機器操作や無線操作を学び、実際に教習車に乗って実地訓練も行われます。
実地ではベテランドライバーが同乗し、効率良く客を探して拾えるポイントや事故を起こさない安全運転のコツなども教えて貰う事が出来ます。
また営業する場所によっては地理試験に合格しなければいけません。
難関試験ではありますが、勉強すれば地理情報にも詳しくなり、自信をもって運転出来るようになります。
安心して働けるタクシー会社の見極め方
日本にはたくさんのタクシー会社がありますが、中にはブラック企業と呼ばれる会社も存在します。
せっかくタクシードライバーに夢を持って入社しても、社員に優しくない不親切な会社であれば長く働く事も出来ません。
安心して働けるか見極めるポイントは、まず現実的な給与が設定されている事です。
給与が高く設定されている会社は魅力的に感じますが、他の会社と比べても圧倒的に高い給与をアピールしている所は、実は人を集めるために捏造している可能性も考えられます。
また歩合率も気になる点ですが、ノルマを課す会社であれば、達成出来た場合と出来なかった場合の歩合率にも着目し、あまりにも大きな差がある会社は注意しなければいけません。
そして待遇面にも着目する必要があります。
例えば日本交通グループの場合、研修期間中は日当が支払われ、研修終了後の3ヶ月間は月給保証制度もあります。
新人ドライバーが最初からしっかり稼ぐのは難しい状況の中、慣れるまでの間は安定した給料が貰えるのは社員にとって有難い制度と言えます。
その他にも二種免許の取得費用は全額負担してくれるのか、一人暮らしをする社員のために寮が完備されているのか等もチェックしておきたいポイントです。