タクシードライバーは、長年の経験によって培われたスキルが重要となる仕事だけに、ある程度年を重ねた時点での転職によってキャリアアップを図ることができます。
もっとも、タイミングを誤るとかえってキャリアを損なう恐れがあることから、いつ転職するかは慎重に検討する必要があります。
そこで以下では、日本交通グループをはじめとする東京のタクシー会社に勤務するドライバーの転職適齢期について見ていくことにしましょう。
タクシードライバーになるための最低年齢とは?
まず最初に、東京のタクシードライバーの転職適齢期について説明する前に、そもそも何歳からタクシードライバーとして働くことができるのかを見ておくことにしましょう。
実はタクシードライバーには特殊な資格などが必要とされているわけではなく、普通自動車免許を取得してから2年以上が経っていれば誰でもなることができるのです。
運転免許は18歳から取得することができることから、早ければ20歳からドライバーとして働き始めることができるということになります。
一般的なイメージとしては、タクシーの運転手は、それなりに年齢を重ねた人が多いと思われがちですが、実際には高校や大学を卒業してすぐにタクシー会社に就職するという若者も増えてきています。
その背景にあるのは、かつてのような終身雇用制が失われつつある日本社会において、営業成績がストレートに報酬に反映されるという成果主義が徹底されているタクシードライバーという仕事の魅力が相対的に高まっているという事実です。
東京のタクシードライバー事情とは?
実はタクシードライバーの勤務環境は都道府県によって大きく異なります。
47ある都道府県のうち、もっとも平均年収が高いのは東京都で、全国ハイヤー・タクシー連合会が公表している平成29年度の統計データによると、男性ドライバーの場合で約420万円となっています。
全国平均が約330万円であるということに比べると、いかに東京のタクシードライバーの収入が高いかが分かるのではないでしょうか。
これは、東京が日本でもっとも人口が多く、また国内外から多くの人が訪れることから、タクシーのニーズが非常に高くなっているためであると考えられます。
そのような需要を満たすために、東京のタクシー会社の多くは常に乗務員の採用を行っており、ある程度の経験とスキルを備えたドライバーであれば転職しやすい環境が整っているのです。
ただし、このように転職しやすい環境であると言えるのは、もっぱら東京23区に武蔵野市と三鷹市を加えた、都内でも中心エリアについてのみです。
東京西部の市部になるとタクシーの需要は中心エリアと比べると少なくなってきますので、そこまで転職に有利な環境ではないという点に留意しておかなければなりません。
東京のタクシードライバーの転職適齢期とは?
ではここからはいよいよ東京におけるタクシードライバーの転職適齢期について見ていくことにしましょう。
転職先として考えられるのは、日本交通グループをはじめとする大手のタクシー会社、それ以外の中小のタクシー会社、そして個人事業者として独立することという3つです。
以下では、それぞれのケースにおける転職適齢期について順に説明することにします。
大手のタクシー会社への転職適齢期とは?
第一に、大手のタクシー会社への転職の適齢期は、だいたい30歳前後であるということができます。
一般的に大手のタクシー会社は乗務員に対する研修制度が充実しているのですが、「鉄は熱いうちに打て」という格言があるように、研修の効果が大きく表れるのはまだ十分に経験を積んでいない若年層のドライバーであることが多いのです。
そのため、中小の会社でドライバーとして働いてきたけれども、十分な研修が受けられずにどのように接客してよいか分からないといった人や、大手である程度の研修を受けてきたけれども別の会社で異なる研修を受けることでスキルアップを図りたいという人であれば、新卒から5、6年目の30歳前後というタイミングが大手の会社への転職時期としてはもっとも適しているということができるのです。
ただし、30歳を超えれば大手への転職がお勧めできないということではありません。
大手の魅力として経営が安定していることや、リピーターとなっている顧客を抱えていることなどが挙げられますので、より安定的な収入を得たいということであれば40歳を超えていても大手に転職することには大きなメリットがあるのです。
中小のタクシー会社への転職適齢期とは?
第二に、中小のタクシー会社への転職の適齢期は、だいたい40代から50代であるということができます。
大手と異なり、中小の会社では乗務員はある程度自由に勤務することが認められる傾向にあるのですが、その代わりに大手ほどは研修などが充実していないことが多いのです。
そのため、中小タクシー会社に転職するのは一定水準以上のスキルや経験を身に着けているであろう40歳以上になってからが良いという訳です。
個人として独立する適齢期とは?
第三に、独立の個人事業主になる場合の適齢期ですが、これについては何歳であれば大丈夫であるという決まった年齢はありません。
個人事業主として生計を立てるだけの収入を得られるかどうかは、完全に自分の腕次第ですので、十分な経験を積んだうえで自分一人でやっていけるという自信が持てるタイミングが適齢期ということができるでしょう。
適齢期を把握して転職を成功させよう
以上で見てきたように、東京のタクシードライバーの転職適齢期は転職先によって異なってくるのですが、30歳前後の若い時期に転職するのであれば、研修制度が充実している日本交通グループをはじめとする大手のタクシー会社を選ぶのがよいでしょう。
40歳を超えてくると、大手に加えて、中小の会社や、個人事業主として独立することも視野に入ってきますので、自分の年齢に照らして転職先を決めるのがよいでしょう。