現在50代、転職でタクシー運転手になれるのか

50代の転職にはさまざまなリスクが伴います。
できれば転職せずに定年を迎えたいと思っている人も少なくないでしょう。役職定年などで収入が大きく下がることが見込まれている人、リストラなどで転職を真剣に検討しなければいけない人は、譲れない条件をしっかり分析・把握することが大切となります。
年齢を重ねると保守的になりがちですが、平均寿命が延びていることを考えれば50代にはまだ一花二花咲かせるチャンスが大いにあるはずです。特にタクシー業界は、ある程度年齢を重ねてから、企業戦士を離脱したい人が人間らしさを求めて始める職業と言えます。

タクシー運転手の収入面

一番重要なことは、必要な年収と転職後に得られる年収のギャップを精緻に予測することです。40代・50代で再就職先を探すとなると、前職の経験を活かせる仕事ではないと給料を維持する事は難しいです。

未経験の職種に再就職すると、給料は初任給まで大幅に下がります。一方でタクシー運転手でしたら、年齢給などなく、歩合制度になるので、頑張り次第では1年目からでも400万円~500万円稼げることもありますし、経験を積んでいけば、2年目、3年目では500万円~600万円を安定して稼ぐ事も出来ます。

タクシー運転手の平均年収は約280万円、平均月収は約20万円となっています。日本国内の職種の中では、真ん中ほどです。
基本給が低めに設定されている代わりに、売上の一部が歩合給となるような給与制度の会社が多くあり、売上が増えれば収入も増える仕組みとなっています。そのため、月収が30万円以上の人が比較的多いことも特徴です。

タクシー運転手の勤務時間

50代で転職して長時間労働に従事したり、長すぎる通勤時間は、あまり現実的ではありません。気持ちはあっても身体が若い時のような負荷に耐えられません。無理なく勤務を続けられる条件か否かを確認することが大切です。
タクシー運転手は、主に「昼日勤」「夜日勤」「隔日勤務」という3つの働き方があります。昼日勤と夜日勤の1勤務の労働時間は、一般企業同様の8時間程度です。勤務の頻度も同じく、労働日数は22日から24日といったところ。日勤よりは夜勤の方が深夜料金による加算が得られ、長距離の利用者が増えるため、給与の面では稼ぎやすいでしょう。

隔日勤務の場合は、1勤務当たりの乗車時間が休憩3時間を含む19時間~最大21時間と長いため自分のペースをつかむまでは体力的に厳しいと感じるかと思います。ただし、1回の勤務時間が長いので翌日は必ず休日になります。月々の勤務日数は11~12回程度です。それ以外の月18~19日程度はすべて休日となります。隔日勤務に慣れると、こんなに良い働き方はないと言うタクシー運転手が多くいます。

隔日勤務で1回の乗務時間が19時間を超える場合、その乗務を終えてから20時間以上30時間までタクシー運転手は次の乗務を始められません。つまり勤務後の1日から2日弱が休日であり、月々にすると17日から18日は休日ということに。想像以上に休みが多いです。タクシー運転手の勤務時間は、長い一方で連休が多いのが特徴です。朝から勤務を始めた場合は、次の日の深夜帰りになりますが、その日は明番として休息日になります。そして、公休は基本的に2日連続になるので、明番も合わせれば3連休となります。したがって、体をじっくりと休ませることもできます。

タクシー運転手になって最初のころは、休日の半分ほどは寝て過ごすなど自宅で休むという人も少なくないようです。慣れてからは、自分の趣味や家族サービス、ペットとの時間など、自分の時間を持てる、家族と一緒にいる時間が多い、趣味の時間が多く持てるなどのメリットがあります。

50代からみる、タクシー運転手のやりがい

50代であえて転職する場合でも、やりがいは無視できない要素です。20代~30代の若手であれば、まずは社会人としての経験やスキルを積み、キャリアアップのために働くことが大切。これが30代~40代くらいになると、家族と生活のために働くということが重要でしょう。
そしてまだまだ家族と生活のために、ある程度以上の収入が必要という人がほとんどかと思われます。しかし子供が独立して家のローンの支払いもそろそろ終わるメドがたったというような人であれば、支出面での不安から開放され、精神的な充実を重視するということも考えてもいいかもしれません。

そういった点でタクシー運転手は、収入面は自分の努力次第でいくらでも稼げるためモチベーションアップの大きな部分です。また最近は、エキスパートドライバーという観光や福祉、子供や妊婦の方など特定の方へのタクシーサービスを行う会社も多くなっているため、旅行に興味がある、語学を活かしたい、介護や福祉の仕事に関わりたい、子育ての経験を活かしたい、子供に関わる仕事がしたいとい方にとってはただタクシーを運転するだけでなく、キャリアアップも見込める職種になっているため更なるやりがいを持つことができるでしょう。

50歳からの第二の人生を考えてみよう

人間関係に対するストレスが少なく、お金を稼げて、休みも多く取れる。自由度が高いタクシー運転手ならではのメリットです。人によっては、タクシー運転手に転職して年収が上がったと言う方もいらっしゃいます。そのため、他の異業種に安易に転職するよりも、タクシー運転手として働いた方が、収入を落とさずに済むかもしれません。

タクシーをやったらサラリーマンに戻れない…というのは、タクシー運転手の仕事が良すぎてもう戻りたくないということです。そして60歳以降も、年金受給者はアルバイトとして雇用してもらえるので、さらに自分の時間を使えて副収入になり老後も自分の裁量で働くことが可能なのです。ただタクシー会社によると思うので選ぶのは慎重に、そして事故とクレームだけには注意することです。

50代で未経験でも何も問題はありません、まだまだ働き盛りで遅くはありません。ほどんどのタクシー会社は、養成制度があるので、一種免許の資格取得後3年以上あれば会社負担で受けることができ、その間も給料が保証されます。
これからの人生にタクシー運転手へ挑戦してみてはいかがでしょうか。

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